器修理の受付を休止します

自宅(団地)のフルリフォームを行うことになりました。
フルリフォームですので、一旦引越しをして仮住まいに3ヶ月、それからもう一度引越しをしてリフォーム済みの綺麗な住まいに戻ってきます。
つまり短期間に引越しを2回します。
その間、お預かりしている大切な器たちに何かあったら嫌だなぁ…、と思うのと、リフォームの事で頭がいっぱいになってキャパオーバーになる気がしているので、器修理の受付をしばらくお休みさせて頂くことにしました。
修理をご検討して下さっていた方には大変ご不便をお掛けしますが、ご理解とご協力を頂ければ幸いです。

●受付休止期間は

4月1日〜8月30日

とさせて頂きます。

金継ぎに関するご相談だけは行っております。壊れてしまってどうしたら良いか分からない、直るかどうか聞いておきたい、という場合には、メールでお気軽にお話をお聞かせ下さい。
そして修理したい!と思ったなら、ぜひ9月以降に工房までご発送下さい。確実に作業進めさせて頂きます。

休止中の修理先

自宅のリフォームが始まりました。一週間でほとんどスケルトンの状態になり、寂しいというよりも、きれいさっぱり何もないので、爽快な気分です。

それにしても、何事も破壊はアッという間に行われるのに対し、新しく構築していくのは時間がかかることなんだなぁ、としみじみ思いました。
遠くの国では理不尽な暴力によって建物が壊され、文化が壊され、人々の生活が壊されているけれど、一方で私はただ暮らしやすくするためだけに破壊行為をしてもらっている。なんと平和で呑気で贅沢なのでしょう。暴力に対して暴力で返す…という最低な流れだけは避けてほしいと願うばかりです。

さて、我が家は仮住まいに引越して10日ほど経ち、なんとか生活も落ち着きを取り戻しましたが、金継ぎは8月いっぱいまで受付をお休みさせて頂きます。

その間、待てないよ〜、急ぎで直して欲しいよ〜、という器をお持ちの方は、友人で金継ぎ仲間の古末さんをご紹介させて頂きますので、ホームページのメールフォームからご相談下さい。

作業はお休みですが、くさむら工房のインスタグラムは随時投稿してまいります。「botanical_art_kusamura」で検索してみて下さい。掲載画像はお直しした器が中心ですが、リフォームのことも少しずつアップ予定です。このブログよりは頻繁に更新しています。

ご不便をおかけしますが、どうぞ宜しくお願いします。

作業遅れ気味です

2月は息子の幼稚園が休園になったり学級閉鎖になったり、息子が微熱を出したり、ズル休みをしたり・・・、色々とありました結果、登園日数が7日という、大変なひと月になりました。もう春休みなのか?と思いました。

もう、こんな状態になってくると、あきらめの境地とでも言いますか。園から学級閉鎖の連絡を受けても、「はいはい~、どうぞー」という感じです。息子はここぞとばかりに遊びまくっていました。

そんなわけで2月、私は仕事をしたくてもできない、スローペースを強いられていましたので、作業は当然遅れています。うつわを預けて下さっている方の中には、まだかなーっ、と首を長くしてお気に入りの器の帰りを待っていらっしゃる方もおられると思いますが、こんなご時世ということで、ご了解いただければと思います。できる範囲でコツコツ進めていますので、お待ちください。

最近修理させて頂いた器をいくつかご紹介しておきます。

注ぎ口が欠けてしまった急須です。注ぎ口は水分を含みやすい場所なので、正直とっても難しいです。もしかしたら使っているうちに、水でふやけて取れてしまう可能性もありますので、できる限りしっかりお直しさせていただきましたが、要経過観察、という感じです。

黒漆仕上げ

次は作家ものの、個性的なマグカップ。

縁の欠けのお直し

縁に小さな欠けが何か所もできてしまい、口当たりがザラつくようになってしまったとのことでご依頼いただきました。うつわの個性を生かして遊んで欲しいとご要望頂きましたので、今回は赤漆と金粉を用いて、最初から器のデザインの一部だったようにお直ししました。こういう変化に富んだ修理は楽しいです。ご依頼主様のティータイムが今までよりいっそう豊かな時間になります様に。

最後は素敵な土もののマグカップ

白漆仕上げ

あえて色漆のみで、シンプルに仕上げました。白漆と言っても、漆は乾くとき暗い色になりたがる性質があるので、いわゆる「白」にはなりません。メーカーや乾く時間(季節)によっても少し色味が変化しますが、白というよりカフェオレ色です。ですが白い器にはよく馴染むと思います。

マグカップに白漆、という組み合わせは、個人的に結構好きです。コーヒーを飲むときやカフェオレを飲むときに、チラッと修理あとのやさしいカフェオレ色が見えると、どことなく「調和」を感じます。私だけでしょうか。

修理は金仕上げの場合、欠けが3500円から、割れは4000円程度からを目安にご案内しておりますが、漆仕上げはほかの金属粉仕上げの場合には、金仕上げから500円引いた価格でお引き受けしています(何しろ金が高いですからね…)。仕上げで迷っていらっしゃる場合は、ご相談下さい。

工房までお持ちいただければ、実際の修理品や、色漆の見本もお見せできます。横浜市内などお近くの方は、ぜひ直接のお持込もご検討ください。

2022

新年おめでとうございます。

この一年、日頃から器を大切にしている、器好きのみなさまにとって、良い年になります様に。

息子が幼稚園に入園してから開いたこの工房は、器を預けてくださったり、お教室に来てくださったり、関わってくださる方々によって少しずつ育ててもらっています。

初めて金継ぎを目にした日から、10年以上経ちますが、その時はまさか仕事にするとは思ってもいませんでした。おかげさまでコツコツ続けることができています。

年末年始にはホームページの掲載作品を追加しようと考えていたのですが、すみません、色々と間に合っていません。今のところ修理例が一番見られるのはInstagramになっています。

もしアカウントをお持ちでしたら、

「botanical_art_kusamura」

で、検索してみてください。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年の金継ぎ例をいくつか掲載しておきますね↓

工房グッズつくりました。

息子氏の通う幼稚園、コロナのあれこれで予定より10日間夏休みが長引きました。加えて預かり保育も当面のあいだ自粛して下さいとのお達しが届いたため、結局1ヶ月以上、漆作業ができないでいます。

修理をお待たせしている方にはお時間頂戴して申し訳ないのですが、9月半ばの通常登園が始まってから、しっかり器と向き合おうと思っています。

今のところ、まだ子育てが生活の軸なので、ブレーキとアクセルを踏み分けながら、急がず焦らず、作業を重ねていくスタイルです。ご理解いただけましたら幸いです。

それにしても、このようなご時世の中、預かっていただけるだけでも感謝です。教育現場の方々もお疲れ様です。

さて、夏休みの間、漆仕事が全くできないストレスを発散?するために、SUZURIというサイトで、自分の欲しいグッズを作ってみました。

時には息子を隣に座らせて、PC画面の左半分で動画を見せながら、右半分(せま〜い画面)でポチポチ作業。

動画を見せながらのグラフィック作業は、10年以上も愛用しているPCにとって荷が重いのか?度々フリーズを繰り返しながら…なんとか完成しました。

冷えやすい体質のため、昔からハンカチとかスカーフとか首に巻いて暖をとる布が好きでした。なのでまず手始めに、バンダナを作ってみました。

こちらのモチーフは、ピンクポーセリンという、チェコの陶器製一輪挿し。割れてしまったものを知人から譲り受け、ただいま修理待ちです↓

瞬間接着剤でカケラをくっつけたらしいのですが、これは鍋で煮て分解してから、再び漆で接着します。(ちなみに隣のカエルも作家さんによる陶器製、可愛いです)

煮る作業、こんな感じ↓

お湯でゆっくり煮ます。コトコトと弱火で。

無理に取ろうとしないのがポイント。色んな方向から楊枝などで力を加えてみて、どこが動くのか探りながらテコの原理でクイッとやると、簡単に外れる場所があったりします。

で、無事取れたのでこれから金継ぎしていきます。


こんな柄もあります。こちらはポーリッシュポタリーという、ポーランド陶器がモチーフ。コロンとしたフォルムがかわいいのです。

オリジナルグッズということで、小さく「金継ぎ工房くさむら」と、名前を入れさせてもらいました。これから少しずつ、器のデザインで数を増やしていこうと思います。

自分の描いた線が雑貨になるのは単純に嬉しいですね…。受注生産という形でどなたでも購入できますので、よかったら覗いてみて下さい。リンクを貼っておきます。

SUZURI リンク↓

うつわとくさむら ( botanical_kusamura )の

オリジナルアイテム通販 ∞ SUZURI(スズリ)

https://suzuri.jp/botanical_kusamura

サイト内で
ショップ名「うつわとくさむら」
または「botanical_kusamura」
で検索すると出てくると思います。

漆かぶれのこと

季節は梅雨。温度も湿度もよろしく、漆が活性化しています。


私はというと、久しぶりにかぶれています。
心当たりは色々とあります。
ひとつ強く言えるのは、作業中は整理整頓が大切ということです。

今年3月から細々と金継ぎ教室をするようになりましたが、お教室の最初では、かぶれについて時間をかけてご説明させて頂いてます。

と言うのも、以前、漆教室のアシスタントをさせて頂いていた時、色んな方の、色んな症状を目の当たりにしたことがあり、甘く見てはいけないと感じたのです。

私は本漆を使用するようになって10年程ですが
いまだに一年に1〜2回はかぶれ症状が出ている気がします。

「かぶれる」とは聞くけど、実際はどうなのか?というところまでは、金継ぎキットの説明書や関連本にはあまり具体的に書いていないと思います。

今日はいい機会ですので、私の症状について少し書かせて頂こうと思います。

お見苦しいかも知れませんが、最後のほうに今の両手の写真も載せておきますね。

・・・・・・・・・・・・・・

私の場合、まず手指に小さな水泡がプツプツできます。
これが痒いです。
時間は特に決まっていませんが、「あっ痒いな」と思う瞬間が1日に何度かあります。
寝てる時に痒くて起きることもあります。

で、痒いと掻きますね。
すると熱を持ち患部は赤くなり、水疱は若干広がります。
掻き壊すと傷になるので厄介です。

この痒い波が去ると、赤みは引いて水疱も消え、
何事も無かったように普通の肌に戻ってます。
ただその間も肌の奥で痒みのタネのようなものが
ジワジワと燻っているのは感じています。

も少し酷いときは全身どこかしらにある
ゴムの痕とかが痒くなる時もあります。
下着のゴム、靴下のゴム、ウエストのゴムのあと
それらが意味もなく痒くなったりします。

あとは肘の内側、膝の裏側など皮膚の薄いところ
じんわり汗をかくと痒みを感じたりします。

痒みに対して軟膏などを塗る時もありますが
ほとんど気休めです。

漆かぶれはアレルギー症状の一つ。
漆が付着した部分だけが発症するのではなく
場合によっては全身症状となります。

身体の中から湧き上がってくるような感覚があるので
例え皮膚の表面に何か塗ったとて、
それが抜群に効くとは思えません。

対処法としては、冷やすのが一番だと思います。

私の場合、症状は長くて2週間。
今回は多分1週間くらいで落ち着く気がします。

この10年で多少は耐性がついたのか
普段は皮膚についてしまっても
すぐに拭いておけばかぶれたりしないのですが
その時の体調と季節と漆の活性具合により
かぶれる時はかぶれます。

大抵は今のような梅雨の時期にかぶれています。
漆がモーレツ元気になっている季節。

それと汗をかく季節なので毛穴が開いて、
アレルギー物質が皮膚から侵入しやすいとか
単純に半袖で作業して露出が増えているからとか
整理整頓を怠っているからとか暑くて手袋しないとか
心当たりはありまくるので、かぶれないためには
基本の対策が大事ということでしょう。

中にはこの程度で済まない人もいます。
皮膚科に駆け込む方も見てきました。

金継ぎが流行って久しいですが
手軽に買える金継ぎキットの中に「かぶれることがあります」の一文を添えるだけで、本漆が入っているものも存在しているようで、不安を感じることがあります。扱いが軽いというか…。

天然の漆は素晴らしいものですが、そもそもは漆の樹からいただいた、貴重な樹液です。

ご自身でやってみたいと考える方は、保管方法、かぶれ対策、漆の良い部分だけでなく
扱いを間違うと大変なことになりかねない、天然漆ならではの危うさも、正しく知って欲しいと思います。

私のかぶれの話は、何かの参考にして頂けるなら幸いです。

過去に見てきた方の症例?についても、また機会があれば改めて書きたいと思います。

消費について考える

20代の頃は、ゼロから1を産み出したいと思っていました。なにか自由に、出来そうな気がしていたんです。若気の至りでしょうかね。

“オリジナル”に躍起になって、紙雑貨を作ってクラフト市に出店している時代もありました。

でも自由って、ある面で不自由なんです。自分の中の価値観とかこだわりが邪魔してきたり、人の目が気になったり。それに対して、自由なんだから良いじゃないかと、反抗してみたり、傷ついてみたり。

その一つひとつが経験になっていますが、私にはとてもしんどかったです。

それに、本当のオリジナルがこの世にどれだけあるのか?を考えた時、ちっぽけな脳みその自分にできることなんて、とても限られている、たかが知れている、ということに気付きました。

そのちっぽけさに気づいてから耐えられなかったのが、こんな自分のために、美しく作られたまっさらな白い紙が、汚れていくことでした。

私が押すボタン一つで、プリンターに印刷され、折り目をつけられて、“商品”にされて売られて消費されていくのです。いや、今思えば消費は、私が印刷にかけたところで始まっていたのかも。それかもっと前、ボタンを押すところから?それとも私の手に入る前、製造されている段階から、消費なのかもしれない。白い紙にされるためにどこかで樹木が消費されているのですから。

私の手によって、白い紙から“商品”に生まれ変わったように見えるソレは、売れようが売れまいが、私が用意した商品棚に並んだ時点で、すでに消費されている。なんだかその状態が申し訳なく、後ろめたくもありながら、他に手段を知らなかった当時の私は、違和感を持ちながらもただ闇雲に、消費を繰り返していました。

転機は出産。それまで迷いながらやっていた創作も模索も、突然現れた新生物によって強制終了されました。

育児は消費の一方。子供のものはどんどん増え、そしてどんどん消費されていく。もったいないなんて言っている場合ではない。立ち止まる暇も考える隙もない毎日。

ようやく自分の時間が戻ってきたのは、息子がプレ幼稚園に行くようになってからでした。まず手はじめに、育児で放ったらかしにしていた自宅の器を直しました。カサカサだった漆器はみずみずしい色艶を取り戻し、欠けまくっていた器はおかずをのせると食卓で活き活きとして見えました。

あ、もう今までやっていたような消費はやめよう。と思った瞬間でした。

金継ぎは消費というより、むしろ、再生。壊れた器が消費されてしまうのを止めることができます。

壊れたらゴミ箱へ、という流れを変えられるんです。壊れたら直せばいい。

それに、ウンウン頭を抱えてゼロから1を産み出そうと無駄に悩む必要もありません。

器は大切に使えば、長く使える優れた道具です。我が家には、江戸時代に作られた器もあります。

数百円でさまざまなモノが買える時代ですが、私は原価の崩壊した安売りの棚に大切なものは並んでいないと思っています。その証拠に、消費している人々はどこか心がカサカサして、無いものねだりしているように見えます。高いものがいいとも限らない。個性的なデザイン、希少性、プレミア感、あるはずのない「特別」を探し回っても暮らしの役に立つのは一握り。正直、私にとっては全てどうでもいいことです。

それよりも暮らしを支えてくれる、力強い一つ一つの道具、そこに宿る気持ちや、残っている思いを大切にしたいと思っています。

モノを消費する、という、当たり前の流れ。人によっては何も疑問も持たず終わることでしょうけれど、どうも私は、見て見ぬふりをできないようです。

モノの価値観のこと

息子が1月末から体調を崩し、咳を伴いながら6日間くらい38〜39度の熱を出し続けていました。罹患している当人が大変なのは言うまでもありませんが、今回は長引く熱と咳で、看るほうも最後はさすがに疲れてしまいました。コロナのこともあり、気が気ではありません。これは普通の風邪なのか?それとも…、という不安が常にありました。ともかく今は元気になったのでホッとしています。

昔の整体師・野口晴哉さんの「風邪の効用」という本には、確か、大人も子どもも時には上手に風邪をひくことも必要だと書いてあったと記憶しています。意味があって風邪をひいていると思えば、風邪も悪いことばかりではないと心に受け止める余裕ができます。きっと息子は今回の風邪でまた一つ、強くなったのだろうと思います。

さて、問題は元気になってからです。今まで熱で思うように遊べなかった分、回復してからヤンチャが爆発。私が大事にしたいと思っているモノ、いつもなら触らないようなモノにまで手を伸ばして、自分の遊びに取り入れようとしていました。

そして小さな事件が起きました。私のお気に入りのアンティークの椅子に、何故か楊枝を突き刺して、座面に複数の穴を開けたのです。それまでの1週間の看病疲れと、想像もしなかった出来事を前に、完全に心が折れた瞬間でした。

私は器を直す仕事をしているくらいなので、基本的に自分の持ち物に対しても大事にしたいという意識が流れています。作家さんの器、骨董の器、昭和の引き出し、レトロな生地などなど。。。

そしてモノは使ってこそ価値があるという考えなので、わが家にあるモノ達にはきちんと働いてもらっています。子どもにもそのうち伝わればいいなと思いながら、日常使いしていました。

しかし…しかし、難しいものです。

この世に生まれて4年程度の人間にとって、「大事」な感覚というのは極めて限定的です。自分の持ち物に対してはコレが大事、という思いはある様子なのですが、自分以外の誰かが大事にしていることを想像するのは容易ではないようで、いとも容易く私の持ち物を破ったり汚したりしてくれます。

彼にどれだけのお気に入りを壊されてきたかを思い返すと、子どもって残酷だなぁとすら感じます。子どもにとっては、100円のお皿も、10000円のお皿も、値段は関係なく“お皿”でしかないのです。価値観を学び始めたばかりの年齢だけに無理はないのですが、彼の行動によって破壊されたモノ(と、私の心)を思うと、時に虚しさすら感じてしまいます。

モノを大事にしたいという思いで器を直し、古いものを使い継いでいる…一方で、子育ては消費するばかり、破壊の連続。私のやっていることは意味があるのだろうか?と。

だからといって、食卓にプラスチックの子供用食器を並べるのは違うと思っているので、相変わらず陶器や漆器を並べ続けるのですが。

モノの寿命、モノの価値って不思議です。

この仕事をするようになって、本当にこのテーマについて、よく考えるようになりました。誰かにとっては大きな意味のある器でも、また違う誰かにとってはゴミ同然だったりします。値段では決められない不思議な世界の中で、私はただ器を直すのです。

何年も続けていれば、子どもにも伝わるでしょうか。伝わってほしいと願いながら、また机に向かいます。

新年のご挨拶

今頃になってしまいましたが、今年もコツコツやっていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

2020年は世界的にも本当に大変な年で、自分のこと、家族のこと、色々と考えさせられました。おかげさまで、金継ぎのほうは、少量ずつながらもほぼ途切れることなくお声かけをいただいて、ありがたくお仕事させてもらっています。

一方でやってみて分かったことも沢山あります。さまざまなお品物が手元に届きますが、そのひとつひとつの器が、私に学びをもたらしてくれます。

ホームページも、まだ開設して一年足らず。まだまだ駆け出しですが、器を預けて下さる方への感謝を忘れずに、今年も変わらず丁寧に器と向き合いたいです。

去年仕上げた器を、近いうちにホームページの作品ページに追加する予定です。

更新頻度ゆるゆるなのは、多分今年も変わりませんが、たまに覗いていただけると嬉しいです。一応、一番更新が頻繁なのはインスタグラムです。アカウントをお持ちの方は、こちらもよろしくお願いします。

アカウント名 botanical_art_kusamura で調べていただけると出てくると思います。

ガラスの欠け

当工房では、基本的にガラス製品の修理は承っておりません。

漆はツルツルした面に定着しにくく、その時にくっついたように見えても、乾燥時の収縮などもあって剥がれやすいので、なかなか修理するのが難しいのです。
というわけでガラスの器のお直しは現状全て、お断りさせて頂いているのですが、これは自宅の器なので実験的に修理をしてみました。


ガラスは補修した裏側から下地に使った漆の色が透けてしまいます。これも難しい理由の一つです。

見る角度によって、下地が見えたり隠れたりするので、器の印象そのものが変わります。

今回は小さな欠けでしたが、コツンと何か当てたらポロっとすぐに取れてしまいそうだったので、実際の傷よりも広めに漆で覆い金消し粉で仕上げました。


強度はいかほどなのか?実際に使ってみながら、経過観察していきたいと思います。
ガラス用漆というものも一応販売されているのですが…その定着の度合い、経年変化の具合なども分からないので、まだ手が出せないでいます。

ガラスの修理、難しいです。

修理は基本的に本漆を用いて行っております(合成樹脂は使用していません)

仕上げについては、金・銀・真鍮と色漆などに対応しております。ご依頼される方の

意向を伺い、その都度、相談のうえで決めていきたいと考えております。

<ご依頼までの流れ>

まずはじめに画像などで破損の状態を拝見し、仮見積もりをさせて頂きます。その後

修理品を直接お持ちいただくか郵送して頂き、見積額を決定、修理となります。

<修理・メンテナンスできないもの>

当工房では、ガラス製品についてはお断りさせて頂いています。技術が追いついたら

お受けできるようになるかも知れません。その他、器の状況によりお断りする場合も

ございますことをご了承ください。