骨董市
毎月、骨董市を楽しみにしていたのですが、コロナの影響で当然のごとく、頻繁に行っている町田天満宮での骨董市も、大和プロムナードでの骨董市もお休み。再開はいつになるのでしょう。まだ今の段階では、わざわざ混雑している場所へ出かける気にもなれないのですが、そもそもイベントが中止されるという現状に寂しさを感じます。
古いものには、今お店に並んでいる品物からは感じられないような面白さがあります。その当時の暮らしぶりがうかがえると、自分の中で勝手に良い感じに解釈して、いいなぁなんて妄想を膨らませたり、自分の理想の暮らしと照らし合わせたりしています。勉強になることも多くあります。買い物しようとしても、目的のものが見つかるとは限りませんので、期待もしません。お買い物というよりは、現実逃避が目的かも知れません。特に当てもなく、色んなものを見聞きしながら、ブラブラするのが好きなのです。
買い物の基準は実に曖昧で、ピンときたものとしか言いようがありません。とりあえず、あっても保管に困らなそうで、実用できるものをなるべく選ぶようにしています。
最後に行ったのは一月だったかと思います。その時購入したのは大きめの三段重。普段こんなに大きなものは買わないのですが、とても気になる存在だったので迎え入れました。
木目を活かした塗りのシンプルなお重で、状態も良くて気に入りました。少し角のあたりは塗装の剥げがあるので、自分で少し補修するつもりで購入しました。底面にはこんな印もありました。
「伊勢山田市、国産漆器問屋」調べてみると、今でも伊勢市周辺で作られている伊勢春慶という塗りで、赤みがかった色が特徴なのだとか。確かに飛騨の春慶塗より赤い気がします。豪華な装飾はありませんが、逆にこのシンプルさが現代の食卓にも違和感なく溶け込みそうです。伊勢で重箱などの生産が盛んになったのは江戸後期~明治にかけてとのことですが、はて、この重箱は何歳なのでしょう?もっと新しいものなのかしら?それに「千田、安田屋」の焼き印、東京の千田にあった安田屋さんという食事処かなにかで使われていたものが今に残るのかどうか。勝手な推測です。何がどうして伊勢で作られたものが私のもとへ来たのか、それを考えるだけで面白いです。
誰かの誕生日とか、人が多く集まるときとか、お料理をいろいろ並べたい時に使ってみようと思っています。
それにしても、早く世界に平穏が戻ると良いですね。