くさむら(叢)とは、

 草が群がり繁る場所、多様な物が集まり共存する様子を意味します。
古いものも新しいものも、高価なものも安価なものも、全て一様に受け入れて、持ち主様の想いを汲みながら、あらゆる器を出来る限り、再び美しい姿にしてさしあげたいと考えています。

漆のこと

 漆との出会いは10年ほど前。学生時代から伝統工芸に興味はあったものの、それは職人という憧れの世界の人だけが触れられるものだと思い込んでいました。けれど木彫漆芸作家の藤原啓祐さんに出会い、身近で楽しめる漆を体験して以来、魅了され続けて今に至ります。
 漆はとても優れた自然塗料です。他の塗料とは違い、湿気が多い季節ほどよく硬化します。不思議な生き物のようです。そして何より、美しいです。

 漆の世界は奥深すぎて、まだまだ勉強することは山ほどありますが、出来ることがあるなら少しでも誰かの暮らしに役立ちたいと思っています。日々勉強させて頂いてます。
 漆でメンテナンスやお直しをすると、より美しく、堅固な器に生まれ変わります。お気に入りの器を長く使い続けることができます。

 マイクロプラスチックの問題もあります。子どもが割るかもしれないからプラ製容器を持たせるのではなく、割れてしまうことも含めて教育と考え、あえて陶磁器などの本物を持たせてあげてください。割れても直せます。物を大切する心を大事にして欲しいです。

 お椀の塗り直しは1ヶ月ほどで出来上がります。
 欠け、ヒビなどの小さめのお直しは半年、割れたものについては長いと1年ほどお時間頂戴することもあります。
 作業はゆっくりです。ですが一つ一つのご依頼品に対しては真摯に向き合い、丁寧に進めてまいります。長くお預かりすることに、ご理解いただけると嬉しいです。

プロフィール

荒井(金谷) 絵梨
女子美術大学 芸術学部卒
小さな頃から祖母の畑で育った自然な野菜を食べ、植物の美しさを感じながら育つ。
大学卒業後、自然派工務店に勤務するなかで衣食住の大切さ、森と人の繋がり、自然の尊さを学ぶ。3.11、圧倒的な自然の力を前に、人間の非力を思い知る。
自分にできる事を、コツコツやっています。

blog くさむらの日々

活動歴

2005 1000の小箱展ニッセン同和賞受賞
2006 新風舎ビジュアルブック大賞入選
2007 女子美術大学卒業制作優秀作品展
2010 gallery EGG 写真グループ展「FROM TRAVEL」
2011gallery EGG グループ展「26」
ブックギャラリーポポタム 個展「叢くさむら」
神保町 路地と人 ART SPACE Produce [Tokyo Book Art Week 2011] 「ものがたりの粒子」参加
カフェギャラリーヒトソラ グループ展「WOOVE」
新宿区大久保高崎邸  遺空心致 IKU−SHINCHI「高崎邸アートプロジェクト」参加
2012art labo 深川いっぷく 個展「燦-san-」
一軒家カフェ ikkA 企画展「冬のポストカード展」参加
2013銀座モダンアート「ポストカード展2013」参加
ギャラリースペース しあん グループ展「トンネルの数はいくつある」
Galerie METANOIA「A SINGLE GRAIN OF RICE」 一粒の米展 参加
2014ギャラリースペース しあん 個展 「色彩の喪失 現象のはじまり」
2015ギャラリースペース しあん 個展「一期一会」

修理は基本的に本漆を用いて行っております(合成樹脂は使用していません)

仕上げについては、金・銀・真鍮と色漆などに対応しております。ご依頼される方の

意向を伺い、その都度、相談のうえで決めていきたいと考えております。

<ご依頼までの流れ>

まずはじめに画像などで破損の状態を拝見し、仮見積もりをさせて頂きます。その後

修理品を直接お持ちいただくか郵送して頂き、見積額を決定、修理となります。

<修理・メンテナンスできないもの>

当工房では、ガラス製品についてはお断りさせて頂いています。技術が追いついたら

お受けできるようになるかも知れません。その他、器の状況によりお断りする場合も

ございますことをご了承ください。