2022

新年おめでとうございます。

この一年、日頃から器を大切にしている、器好きのみなさまにとって、良い年になります様に。

息子が幼稚園に入園してから開いたこの工房は、器を預けてくださったり、お教室に来てくださったり、関わってくださる方々によって少しずつ育ててもらっています。

初めて金継ぎを目にした日から、10年以上経ちますが、その時はまさか仕事にするとは思ってもいませんでした。おかげさまでコツコツ続けることができています。

年末年始にはホームページの掲載作品を追加しようと考えていたのですが、すみません、色々と間に合っていません。今のところ修理例が一番見られるのはInstagramになっています。

もしアカウントをお持ちでしたら、

「botanical_art_kusamura」

で、検索してみてください。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年の金継ぎ例をいくつか掲載しておきますね↓

経年変化のこと

 私はパソコンに向かうのが苦手なので、ちょっと気を抜くとすぐにブログの更新が止まってしまいます。季節が変わってしまいました。元気に暮らしています。コロナ渦による混乱も一時期に比べると少しは落ち着いてきたように見えますが、当工房は“工房”と呼んでいるとはいえ、団地の一角にある小さな部屋ですので、今後も配送でのやり取りをベースにさせて頂きたいと考えています。

 ホームページで「横浜」と書いているからか、ありがたいことに、ご相談いただくお客様の8割は横浜在住の方です。近くにお住まいであるならば、私の気持ちとしては我が家のリビングにお招きして、実際に修理したものを手に取って頂き、金継ぎしたカップで一緒にティータイムをしたいところなのですが、今はまだその余裕がないのが現状です(まず部屋の片づけをしないとですしね…)。

 いつかは金継ぎカフェ、実現したいと思っています。が、いつになるやら(?)。

金継ぎしたカップと言えば、ひとつ、いい味になってきた継ぎ痕をご紹介します。

まず直す前の破損状態はこちら↓

直し終えたのが去年の今頃です↓

銀粉を蒔いて、銀継ぎ仕上げとしました。直したては美しい銀の白っぽい色が映えていましたが、この色艶は経年変化で鈍くなります。それも見越して、銀にしました。というか私は経年変化するのが逆に好きで、自宅の器は金よりも銀や真鍮で仕上げることのほうが多いです。特に渋い色の器には好んで経年変化する金属を使用します。

一年使用して、良い感じに変化した現在がこちら↓

グッと渋く、器に馴染みましたね。

この経年変化を良しとするのかどうか、人によって分かれるところかと思いますが、私は個人的に変化の色合いがとても好きです。使われる頻度や、器が置かれている環境で変化のスピードは異なると思いますが、直したての頃の輝きは、何年も使っていると霞みがかかったようになるのが普通です。でも、その変化した姿こそ愛して欲しいと思います。

作られた時の状態でずっとピカピカしているものは、この世にはほとんどありません。モノは使われてこそ価値を増します。私はご依頼して下さった方が、お気に入りを再び使い続けることができるようにお直しをさせてもらっています。直す前よりも少し扱いに注意が必要かもしれませんが、せっかく直ったのだからと食器棚に飾っておくのではなく、惜しみなく使ってあげて欲しいと思います。

修理は基本的に本漆を用いて行っております(合成樹脂は使用していません)

仕上げについては、金・銀・真鍮と色漆などに対応しております。ご依頼される方の

意向を伺い、その都度、相談のうえで決めていきたいと考えております。

<ご依頼までの流れ>

まずはじめに画像などで破損の状態を拝見し、仮見積もりをさせて頂きます。その後

修理品を直接お持ちいただくか郵送して頂き、見積額を決定、修理となります。

<修理・メンテナンスできないもの>

当工房では、ガラス製品についてはお断りさせて頂いています。技術が追いついたら

お受けできるようになるかも知れません。その他、器の状況によりお断りする場合も

ございますことをご了承ください。