冬に直した自宅用のオーバル皿ですが、ひびが入っていた部分を直すだけではなく、少し模様を足してみました。

元々のお皿のデザインを汲んで、あそびで描いてみたのですが、お料理などを入れてもアクセントになるので、これがなかなか楽しいです。

自宅用のお皿は実験台でもあるので、ご依頼頂いたお預かりの器ではやらないことにも挑戦しながら、暮らしの中で使い続けています。

外側もこんな感じ。

金消し粉を使用。

ちなみに加飾をする前は、ただ漆でヒビを繕っただけの状態ですかっていましたので、こんな感じでした↓

スッと漆の線が入っているだけ。だいぶ印象が変わりますね。

お直しをご依頼いただいた場合、仕上げは基本的に、金粉・銀粉・真鍮粉(いずれも消し粉というマットな仕上がりの金属粉です)の加飾仕上げからお選びいただくようにしているのですが、器のデザインによっては加飾しないほうがクールに仕上がるお品もありますし、大げさなことをしなくても直るお品もありますので、一様に「金継ぎ(金繕い)」を勧めるのもどうなのかな~?と思うことがあります。金継ぎが流行って、もてはやされるようになって久しいですが、「金」は飾りにすぎません。

金属粉による加飾は、酸化して色が変わったり(その変化も一興なのですが)、何度も何度も洗ううちにどうしても剝れてしまったりします。

超ハードに日常使いする器ならば特に、金属加飾が取れてしまってがっかりするよりも、最初から色漆仕上げのほうが良いのではないかな?とも思ったり…。

いずれにしても器と対話しながら、お客様とも相談しながら、進めたいと考えています。

今回のようなあそびのデザインを入れて欲しいという場合にも対応しますので、ご相談下さい。